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2009年9月29日 (火)

フランソワーズ・サガン~村上春樹

大好きだったフランソワーズ・サガンの伝記映画を見てきた。

「悲しみよこんにちは」で若干17歳のとき日本の芥川賞のようなものを貰ったサガンは、「一年の後」「ある微笑」「ブラームスはお好き」などなど次々に発表し、若くして大金持ちになり、お金を湯水のように使い、最後は麻薬におぼれて死んでいった。

才気にまかせて、よく考えないで生きていると、こうなっちゃうのか。かわいそうなサガン。

いちごは昨日買った『アンダーグラウンド』を読み始めていたので、サガンがひどく色あせて、なんだかつまらなく、家に帰ると『アンダーグラウンド』の、延々700数十ページに及ぶドキュメンタリー3分の1ほど読み進んだけれど、あの事件のことを最近ではもう終わった事のように思っていて、電車に乗って、「車内に不信物を見かけたら・・・」なんて放送を聞くと、「地下鉄サリン事件」のことをまだやってるのっていう感じだった。

読めば読むほど恐ろしく、つい土曜日も千代田線や丸の内線に乗って、霞ヶ関も通過し、本郷三丁目の句会場にも行ったわけだけれど、1995年3月20日いちごがその場にいなかったのは単なる偶然でしかない、と思うとぞっとしてしまう。

いちごはあの日、伊豆に滞在していた。世田谷の家にひとり置いてきた七華ちゃんが、出かけていて事件に巻き込まれていやしないかと心配して、電話をかけたらちゃんと家にいた。なんせ若い者は、いつどんな理由でどこへ出かけだすかわかったものではないと思っていたから、声を聞いて一安心したのを覚えている。

今日は向丘遊園駅構内で人身事故があった、と放送しているし。相変わらず鉄道の人身事故は多い。サリン事件は組織的なものだし、人身事故は一見個人的なもののように思えるけれど、村上春樹によればそれは決してあの事件とこの事件として断絶できる種類のものではなく、地下水脈で繋がっているのだと・・・そんなふうに読めた。

現代社会においてはいくら用心していたって、災難に巻き込まれることが皆無とはいえないにしても、サリンみたいな災難はごめんこうむる。

『アンダーグラウンド』は、ミステリーや恐怖小説がとてもちゃちなものに思えてくるほど、ずっとずっと恐ろしい。なにも怖いものなんかないというひとは、この本がお勧めです。

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コメント

こんばんは

「なにも怖いものなんかない」という人は
傲慢の極みですね。
これこそが「罪」です。

叔父はあの日、八丁堀にある新聞社への
出勤途上でした。
一本前の日比谷線に乗っていたら
まちがなく被害にあっていたでしょう。

遊園って…なんだろう…?

ぽんぽこさまこんばんは

驚き!ですねえ。叔父様は運がよかった。
1本前の電車とか、1本後の電車とか、
ちょっとした運命のいたずらで禍福はあざなわれるのですね。

前政権のとき、「淡々と・・・」という言葉が
政治家の間ではやっていませんでした?
オウム真理教団の尖兵たちが、任務を果たすために「淡々と」行った行為は、
立場を変えればすぐ私たちの隣にある、
それが恐ろしくてね・・・

昨日今日『アンダーグラウンド』に大きな衝撃を受けています。

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