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2009年7月 1日 (水)

裏と表

土居健郎に『表と裏』という著書があった。この中には「本音と建前」という項目も出てくる。日本人はこの一見矛盾した論理の中に住んでいるというようなものだったと思う。

単純にいちごは、裏表のある人間はいやだ、とか本音と建前があるだろうけれど本音でいってくれなきゃ話にならない、と思っている。

今日の朝日新聞「天声人語」には「這っても黒豆」とか「嘘も方便」などという、ことわざで、日本とアメリカ間の密約について書かれてあった。

昨日の新聞で、1960年の日米安全保障条約改定時に、「核兵器を積んだ米艦船の寄港、航空機の一時通過などの場合は、秘密合意によって事前協議は不要」と日米両政府が秘密合議を結んだという文書を引き継ぎ、当時の外相に説明した、と元外務次官が白状した。

しかし、政府はそんなものは存在しないと口をぬぐってきたのだ。1960年当時の大学生たちが、あれほど激しく反対した俗に言う「安保闘争」の真実が、次々とあばかれる。あのとき樺美智子さんという優秀な女子学生が命を失った。あの反対運動を一般市民たちは日々の生活に追われてただ横目でみているばかりだった。今、学生や有識者が守ろうとした、「安保条約」の本当の姿が国民の前にさらされている。

それでも、相変わらず横目でみているしかないのだろうか。平和がいいという本音は、今日の生計という建前の前にへし折られ、裏という密約は表という嘘に蹂躙されてしまうのだろうか。

わたしたちが日常個人レベルで、裏と表を出したり引っ込めたり、本音と建前を使い分けたり(いちごは嫌いだけど)しているうちは罪も小さいし時と場合によっては必要なこともある。しかし、公人が自身の利益のために右往左往することによって、最大悪徳となる。

政府が国民を欺くなんて、まったく許せない。ひとは、隣人の小さな嘘にはむかっ腹をたてるけれど、相手があまり巨大になると大きすぎて目がくらむのか見えなくなるらしい。

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