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2009年6月20日 (土)

『爆心』青来有一

爆心 爆心

著者:青来 有一
販売元:文藝春秋
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今日は「現代文学を読む会」で、青来(せいらい)有一の『爆心』を、取り上げた。

長崎が舞台の6つの小編。この舞台の道はすべて爆心地に続いている。この舞台に登場する人たちは、多かれ少なかれ信仰を持っている。また、祖先は殉教の歴史を持っている。同時に彼らには被爆体験が内在している。

ここでいちごが考えたのは、神と戦争の問題だ。神はいるのかいないのか。神は何をしてくれるのか。戦争(それは隣人との争いから原爆の大戦争まで)は、なくなるのかなくならないのか。

なくならなければ、世界は虚無の廃墟となる。人間は望むと望まないとにかかわらず、無に帰するものなのだろうか。そうだとすれば、日々の営みはなんと虚しいことか。

やはり神は必要だ。いちごの神と考えるのは、人間の魂のことだ。魂は見えない。みえないから無とするのは、想像力の欠如か。

いちごは、神がいればいつか戦争はなくなると思う。いつか・・・いつだろうか。でも、いつか・・・カントは神はいるのではなく神を要請するのだと言った。

そのときメフィストフェレスはどうするのだろう。戦争があればメフィストフェレスもほろびるのだから、そんなの問題外か。

青木有一は近来まれな「誠実」な作家のひとりだと思う。

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