『爆心』青来有一
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爆心 著者:青来 有一 |
今日は「現代文学を読む会」で、青来(せいらい)有一の『爆心』を、取り上げた。
長崎が舞台の6つの小編。この舞台の道はすべて爆心地に続いている。この舞台に登場する人たちは、多かれ少なかれ信仰を持っている。また、祖先は殉教の歴史を持っている。同時に彼らには被爆体験が内在している。
ここでいちごが考えたのは、神と戦争の問題だ。神はいるのかいないのか。神は何をしてくれるのか。戦争(それは隣人との争いから原爆の大戦争まで)は、なくなるのかなくならないのか。
なくならなければ、世界は虚無の廃墟となる。人間は望むと望まないとにかかわらず、無に帰するものなのだろうか。そうだとすれば、日々の営みはなんと虚しいことか。
やはり神は必要だ。いちごの神と考えるのは、人間の魂のことだ。魂は見えない。みえないから無とするのは、想像力の欠如か。
いちごは、神がいればいつか戦争はなくなると思う。いつか・・・いつだろうか。でも、いつか・・・カントは神はいるのではなく神を要請するのだと言った。
そのときメフィストフェレスはどうするのだろう。戦争があればメフィストフェレスもほろびるのだから、そんなの問題外か。
青木有一は近来まれな「誠実」な作家のひとりだと思う。
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